昭和の時代、山陰の港に水産加工業を営む父子がいました。 地方の企業ですが売り上げは数十億円に上りました。 水産加工業の売上とは魚の命を奪った数に比例しますから、その廃棄量は膨大なものになります。 親子は毎日毎日魚を切り刻みながら大量の命の廃棄物に胸を痛めていました。 実は廃棄する部分には命を養う無限の成分が含まれているのです。 例えば魚を刺身で食べた場合、食べられる部分は約 4 割で頭や骨、内臓などの栄養豊富な 6 割は廃棄されます。 お刺身はとても美味しい日本の伝統料理の一つですが、忘れてはいけないのは魚をまな板に載せたときには刺身でなく飛び跳ねる生き物だったことです。 生き物の6割も切り刻んで生ごみにしていいわけがありません。 創業者の父親は魚の命を6割も廃棄することはあまりにも命の尊厳に対し申し訳ない思いがありました。 そして息子に 『お前は魚の命を活かしきることを考えよ。 人は魚を丸ごと食べれば生涯健康に過ごせる。 お前なら必ずできる』 、と遺言を残したのです。 

 

 

魚の命を活かし切る試み

息子の魚の命を活かしきる挑戦が始まりました。 ところが実は魚を丸ごと食べるというのは夢物語なのです。 どうしたら不可食部分の6割を食品に出来るのか、従来からの手法や考え方は全く役に立ちませんでした。 日常の業務をこなしながらの研究は思うように進展せず、開発に着手していつしか40年の年月が経ちました。 決定的なアイデアが浮かばなかったのです。 骨やコラーゲンの豊富な鱗を溶かすには化学溶剤を使えば容易にできるのですが、口に入れる食品には化学的な処理をすると遺伝子に傷が入りかねません。 当人のみならず子孫にもどのような影響が出るか予測もつきません。 化学によらず自然科学で魚の命を全て生かし切る方法はないものかと苦心の日々が続き、そしてとうとう頭から尾びれまで、魚の命を丸ごと活かす方法を発見したのです。 

 

 

人の消化過程を再現したプラントの完成

それはある日、開発方法に行き詰まって気分を変えようと外海に釣りに出かけた時の一瞬の閃きにありました。 確かなアタリ(魚が餌に食いついたときに竿先や浮きが動くこと)を釣り竿に感じて一気に巻あげた時に、海面で深海魚の目玉が飛び出し内臓が飛び出る現象に遭遇した瞬間に閃いたのです。 この体験が気圧の差による水中暴瀑(ぼうばく)(水中で粉砕抽出)という自然科学を駆使した技術の誕生に繋がったのです。 それから数年後、彼は急激に気圧の差を作ることで魚が膨張する水中暴瀑現象により魚の頭から尾びれまで、骨を含めて乳化することに成功したのです。 紛れ込んだ貝殻まで乳化し、それはまるで生命の素の白い母乳のようでした。 息子は化学溶剤を使わないで個体を液体にすることに成功したのです。 世界は広いので断言はできませんが、おそらく自然科学による魚の液状化は世界で初めてのことと思います。 

 

 

NASAをも動かした父子の熱い思い

時を同じくしてNASAでは宇宙飛行士の排泄物を資源化するために超微細膜でろ過する基礎技術を確立していました。 この膜を使った設備に船内の空気を除湿した水や尿を通すと細菌も異物も除去され、飲み水だけでなく電気分解すると酸素も水素も作ることができるのです。 尿からつくられた酸素20%に窒素を80%加えると地球の大気よりもきれいな空気が作れます。 電気分解で発生した水素に二酸化炭素を加えると飲み水ができます。 (現代の宇宙ステーションでは飲み水の35%を尿のリサイクルで作り出しています)。 年間6.8トンの水の消費量の35%ですから補給船でその重さの実験資材などの運搬に振り分けることができます。 この情報を入手した息子はアメリカに渡り一年の月日をかけてNASAに何度も頼み込み超微細膜の提供をうけることに成功したのです。 この膜は人が栄養を吸収する小腸粘膜よりも微細な膜であり、水中暴瀑(ぼうばく)粉砕で栄養的にも母乳のようになった魚の水溶液を超微細膜に押し通すことで更に分子の小さなペプチドにすることに成功したのです。 もちろん昆布も椎茸も無臭ニンニク(西洋ネギ) も水中暴瀑粉砕で水溶液とし、同様の処理をしましたので陸の作物も吸収されやすい低分子のペプチドになっています。 シイタケや昆布のペプチドなんて楽しくありませんか。栄養学の常識では人は茸を消化することができないのです。 

 

 

世界で初めてのペプチドリップ製法の確立。

自然科学に基づき気圧の差を作ることにより60℃煮熟を可能にしました。 
筒状の真空の窯とパイプラインを配し大きな圧力を作り、一気に圧力を解除すると沸点が下がります。 気圧の低い富士山頂で87℃、エベレスト山頂では70℃で沸騰しますが 「だし&栄養スープ」 のプラントでは60℃で沸騰します。 理論上ですが成層圏の約12000メートルの気圧を作り出しています。 

 

出汁の再発明

タンパク質の熱変性を防ぐ60℃~65℃ という低温下で強い圧力と解除を繰り返すことで粉砕し乳化した魚を超微細膜に透して出来上がったものは、吸収されやすいペプチドであり澄んだ琥珀色の 「だし&栄養スープ」 。 自然製法で細胞膜を壊し強い細胞膜に守られていた旨味成分も溶け出しています。生のまま乳化する技術の発明により、従来の干し昆布、干しシイタケ、煮干しや鰹節のようにカチカチに乾燥させ、水で戻すときの膨張による細胞膜破壊をする必要がなくなりました。 これにより天日干や温風乾燥による劣化も防いでいます。 何よりも生命力と栄養価に富んだ琥珀色の出汁は調理人がうなるほど美味しかったのです。 それは世界で初めて化学を使わずに捧げられた命を丸ごと活かしきる低分子ペプチド出汁誕生の瞬間でした。

 

 『ペプチド』 は腸管よりの吸収がアミノ酸よりも早くなされ、素早く生命活動に使われます。 出汁(だし)でもありますが、実態は山陰の父子が発明したとんでもなく美味しい栄養スープです。 しかも化学的手法を使っていませんので遺伝子の変性もありません。 人の体が拒否しない成分であり奥の深い滋味に満ち、体力に自信のない方、乳幼児の栄養補給にも適しています。 

 

食べ物に化学はいらない

なぜ人に味覚が備わっているのか。